「薤ロコ蒿里」
福島県大玉村にある「ロコハウス」という民家。
ここは「歓藍社」という藍染めの活動をする団体が活動の拠点として利用している場であり、村に訪問してきた人が気軽に滞在でき、地域の人たちの交流の場でもある。
私はこの「ロコハウス」を題材に三部作のドローイングを描いた。
「薤ロコ蒿里ー概念図ー」
2020年 鉛筆/ケント紙を木パネルに水張り
サイズ:500×652㎜
サイン:裏面に記載
中央の四角の中に描いているのは、現在のロコハウスを上空から見た様子。
その周りには、これからこの建物をどう変化させていこうか、何を建物内部にに入れていこうか、考えるうえで大切にしたいことを抽象的に描いている。
毎日ロコハウスに通い、敷地内に仮設の小さなアトリエを建て、観察し、建物の中で多くの時間を過ごし、地域の人と交流しながら考え描いた。
「薤ロコ蒿里ー平面、立面図ー」
2020年 鉛筆/ケント紙を木パネルに水張り
サイズ:500×652㎜
サイン:裏面に記載
ロコハウスを思うままに改造した平面、断面図。
中央の平面図をぐるっと囲むように立面図を配置した。
建物内部には自然が入り込み、いたるところに命の鼓動を感じるように描いた。
人間のための空間、自然のための空間、その間の空間。
どれだけどのように共存できるか。生命体のような図面。
「薤ロコ蒿里ー断面図ー」
2020年 鉛筆/ケント紙を木パネルに水張り
サイズ:500×652㎜
サイン:裏面に記載
ロコハウスを二方向に切断し、それぞれの地面をくっつけた断面図。
建物の血管のごとく木の根は伸び、構造までも支配してゆく。
家という生命体を緩やかに土に還していけるといい。
そしてそれが次の命につながるといい。
人知れずその命を終えていく生き物たちとも、新しい関係が築けるといい。
大地とつながり、命がめぐる家。
左上:仮設アトリエ
その他:ロコハウス
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